「DAY FOR NIGHT」で映画監督へのラブレターを書く特集がありました。
韓国の監督で書くとしたら、ホ・ジノ監督以外は考えられません。
彼は波長の合う相手に対してはかなり積極的に近づいてくるようで…
私の場合も「一緒に写真に映ろう」と言って手を握ってくるではありませんか。
最近も『春の日は過ぎゆく』で来日した時に、評論家のＴ氏に
ぴったりくっついていたそうです。
ちっ、私にだけ見せる態度だと思っていたのに…
『美しき青年 全泰壱』の撮影現場で。左から２番目が助監督
をしていたホ・ジノ。左端は撮影監督のユ・ヨンギル。
イ・ヨングァン編著『美しき人間 ユ・ヨンギル』より。
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ホ・ジノ監督ニム： お久しぶりです。監督はまだ憶えていらっしゃるかどうか…。 ちょうど３年前です。アジアフォーカス・福岡映画祭でかかった『八月の クリスマス』は、上映会場を静かな感動で包み込みました。私はその感動を 何としても監督に伝えたくて、パーティーで思い切って監督に話しかけまし た。私の拙い韓国語を監督は一語も漏らすまいと聞いてくれました。意味は 十分には伝わらなかったにしても、情は確かに感じてもらえたと思っていま す。 そして、１ヶ月後の台北での思いがけない再会。その前に『八月のクリス マス』の日本公開が決まったことを知っていた私は、「台北映画祭」の授賞 パーティーの席で監督を見つけると、思わず、「おめでとう！」と言ってし まいました。しかし、それは「落選」した監督にかける言葉ではありません でしたね。 『八月のクリスマス』は不思議な作品です。なんでこんなに心にしみるの か、分析しようとしてもなかなかうまくいきません。少しわざとらしいぐら いにメリハリのある演技のほうが韓国人には受けると思ってましたが、ハン ・ソッキュやシム・ウナはきわめて「日本人」的な表情をしていましたね。 それが韓国人にも受け入れられたことが私にはとてもうれしかったです。そ して、さらに香港人まで魅了することになりましたね。 その結果、監督の第二作は、韓国・日本・香港の共同出資という形になり ました。その『春の日は過ぎ行く』もやっと撮影が終わり、９月末の公開に 向けて後期作業に入ったそうですね。実は、監督の新作を観るのは少し怖か ったのです。デビュー作があまりに素晴らしかったから。でも、雑誌（韓国 版「スクリーン」）に載った写真を見て、その不安は吹き飛びました。イ・ ヨンエもユ・ジテもすごくいい表情をしてるんです。今は一刻でも早く新作 を観たい気持ちでいっぱいです。 この次監督にお会いする時にはもうちょっと韓国語がうまくなっているは ずでしたが、なかなか上達しません。でも、あの時のように、笑みを浮かべ てうんうんうなづいてくれますよね。 |
